(☆や太字で個人的に考えた重要度を示します。)
(1)必須のもの
① 厚生労働省のホームページ「公認心理師」:法令などが網羅されている。
(検索方法)厚生労働省ホーム>政策について>分野別の政策一覧>福祉・介護>障害者福祉>公認心理師
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html
担当部署:社会・援護局
障害保健福祉部
精神・障害保健課
公認心理師制度推進室
(参考)法律の階層性:憲法//条約//法律(基本法/さまざまな法律)/政令・省令・告示/通知・通達//条例/規則、法律の成立/公布/施行
② 一般財団法人日本心理研修センター(公認心理師の試験機関・登録機関)のホームページ:講習会や試験の情報が掲載されている。 http://shinri-kenshu.jp/
③ 一般社団法人日本心理研修センター監修「公認心理師現任者講習会テキスト2018年版」金剛出版(2018)=「公認心理師の職責」についての基礎資料
(正誤表:http://kongoshuppan.co.jp/info/info1597.html)
※①②は更新情報を含めて常に確認すること。
※③は現任者コース(Gコース)以外の受験者も全員購入して勉強する必要がある。
(2)手引書・教科書
① 野島一彦・繁枡算男監修「公認心理師 基礎と実践」遠見書房(2018)23巻シリーズ
② 野島一彦編「公認心理師入門 知識と技術」日本評論社(2017)
③ 子安増生・丹野義彦編「公認心理師エッセンシャルズ」有斐閣(2018)
(3)参考資料
ⅰ)倫理・法律・制度・連携
① ☆☆☆金沢吉展「臨床心理学の倫理を学ぶ」東京大学出版会(2006)
② ☆一般社団法人日本臨床心理士会倫理委員会「倫理ガイドライン(平成29年4月改定)」
③ 金子和夫監修・津川律子・元永拓郎編「心の専門家が出会う法律【新版】臨床実践のために」誠信書房(2016)
④ ☆☆鶴光代・津川律子編「シナリオで学ぶ 心理専門職の連携・協働 領域別にみる多職種との業務の実際」誠信書房(2018)
⑤ ☆下山晴彦・森岡正芳・岩壁茂・金沢吉展編(雑誌)臨床心理学90(第15巻第6号)「スキルアップのための心理職スタンダード」金剛出版(2015)
⑥ ☆☆橋本和明編(雑誌)臨床心理学98(第17巻第2号)「知らないと困る倫理問題」金剛出版(2017)
ⅱ)5分野の実践心理学と関連領域
① ☆下山晴彦・熊野宏昭・中嶋義文・松澤広和編 臨床心理学85(第15巻1号)「医療・保健領域で働く心理職のスタンダード」金剛出版(2015)
② ☆森岡正芳・増田健太郎・石川悦子・石隈利紀編 臨床心理学86(第15巻第2号)「学校・教育領域で働く心理職のスタンダード」金剛出版(2015)
③ ☆下山晴彦・中嶋義文・妙木浩之・高橋美保編 臨床心理学87(第15巻第3号)「産業・組織領域で働く心理職のスタンダード」金剛出版(2015)
④ ☆村瀬嘉代子・下山晴彦・熊野宏昭・伊藤直文編 臨床心理学88(第15巻第4号)「司法・矯正領域で働く心理職のスタンダード」金剛出版(2015)
⑤ ☆村瀬嘉代子・森岡正芳・日詰正文・増沢高編 臨床心理学89(第15巻第5号)「福祉領域で働く心理職のスタンダード」金剛出版(2015)
⑥ ☆☆☆下山晴彦・中嶋義文編「公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法」医学書院(2017)
⑦ ☆鈴木伸一編著「医療心理学の新展開 チーム医療に活かす心理学の最前線」北大路書房(2008)
⑧ 下山晴彦・村瀬嘉代子編著「今、心理職に求められていること 医療と福祉の現場から」誠信書房(2010)
⑨ 石隈利紀「学校心理学 教師・スクールカウンセラー・保護者のチームによる心理教育的援助サービス」誠信書房(1999)
⑩ ☆石隈利紀・田村節子「石隈・田村式援助シートによる チーム援助入門 学校心理学・実践編」図書文化(2003)
⑪ ☆文部科学省「生徒指導提要」平成22年3月 第5章:教育相談
⑫ 藤岡淳子編「犯罪・非行の心理学」有斐閣ブックス(2007)
⑬ 太田信夫監修・金井篤子編「シリーズ心理学と仕事11 産業・組織心理学」北大路書房(2017)
⑭ ☆松本俊彦「もしも「死にたい」と言われたら 自殺リスクの評価と対応」中外医学社(2015)
⑮ 加藤伸司「認知症の人を知る」ワールドプランニング(2014)
⑯ ☆☆増沢高「虐待を受けた子どもの回復と育ちを支える援助」福村出版(2009)
⑰ 村瀬嘉代子監修・伊藤直文編「家族の変容とこころ ライフサイクルに沿った心理的援助」新曜社(2006)
⑱ 下山晴彦・村瀬嘉代子・森岡正芳編著「必携 発達障害支援ハンドブック」金剛出版(2016)
⑲ 内山登紀夫編「発達障害支援の実際 診療の基本から多様な困難事例への対応まで」医学書院(2017)
⑳ 子安増生編「やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ よくわかる認知発達とその支援 第2版」ミネルヴァ書房(2005/2016)
㉑ 植村勝彦・高畠克子・箕口雅博編「やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ よくわかるコミュニティ心理学 第3版」ミネルヴァ書房(2006/2017)
㉒ 一般社団法人日本臨床心理士会監修 奥村茉莉子編「こころに寄り添う災害支援」金剛出版(2017)
㉓ 一般社団法人日本臨床心理士会監修 江口昌克編「ひきこもりの心理支援‐心理職のための支援・介入ガイドライン」金剛出版(2017)
㉔ 杉原保史「心理カウンセラーと考える ハラスメントの予防と相談 大学における相互尊重のコミュニティづくり」北大路書房(2017)
㉕ (雑誌)精神療法Vol.43 No.6 「特集 公認心理師とチーム医療」金剛出版(2017)
◎ 日本臨床心理士会雑誌の関連項目に目を通しておくこと。特に、医療保健委員会のチーム医療に関する項目、自殺対策の項目など。
ⅲ)心理アセスメントと診断
① 村瀬嘉代子・津川律子編「臨床心理学増刊第4号 事例で学ぶ臨床心理アセスメント入門」金剛出版(2012)
② 小山充道編著「必携 臨床心理アセスメント」金剛出版(2008)
③ 高橋依子・津川律子編著「臨床心理検査バッテリーの実際」遠見書房(2015)
④ 津川律子「精神科臨床における心理アセスメント入門」金剛出版(2009)
⑤ 小海宏之「神経心理学的アセスメント・ハンドブック」金剛出版(2015)
⑥ 日本語版用語監修日本精神神経学会/高橋三郎・大野裕監訳「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」医学書院(2014)(高価な本なので⑦⑧参照のこと)
⑦ アレン・フランセス「DSM-5 精神疾患診断のエッセンス DSM-5の上手な使い方」金剛出版(2014)
⑧ 森則夫・杉山登志郎・岩田泰秀編著「臨床家のためのDSM-5虎の巻」日本評論社(2014)
⑨ ☆連合大学院小児発達学研究科 森則夫・杉山登志郎編「DSM-5対応 神経発達障害のすべて」こころの科学 日本評論社(2014)
⑩ ☆☆増沢高「事例で学ぶ 社会的養護児童のアセスメント 子どもの視点で考え、適切な支援を見出すために」明石書店(2011)
ⅳ)臨床心理学と心理支援
① ☆☆☆丹野義彦・石垣琢磨・毛利伊吹・佐々木淳・杉山明子著「New Liberal Arts Selection 臨床心理学」有斐閣(2015)
② 岩壁茂責任編集・『臨床心理学』編集委員会編 臨床心理学通巻100号「必携保存版臨床心理学実践ガイド」金剛出版(2017)
③ 太田信夫監修 高橋美保・下山晴彦編「シリーズ 心理学と仕事8 臨床心理学」北大路書房(2017)
④ 村瀬嘉代子・森岡正芳編「臨床心理学増刊第5号 実践領域に学ぶ臨床心理ケーススタディ」金剛出版(2013)
⑤ ☆村瀬嘉代子「心理療法家の気づきと想像 生活を視野に入れた心理臨床」金剛出版(2015)
ⅴ)基礎医学
① 社会福祉士養成講座編集委員会編「新・社会福祉士養成講座1 人体の構造と機能及び疾病 第3版」中央法規(2017)
ⅵ)基礎心理学・心理学研究法
① 鈴木伸一監修・伊藤大輔他著 有斐閣ストゥディア「対人援助と心のケアに活かす心理学」有斐閣(2017)
② 無藤隆・森敏昭・遠藤由美・玉瀬耕治「New Liberal Arts Selection 心理学」有斐閣(2004)
③ 子安増生編著「アカデミックナビ 心理学」勁草書房(2016)
④ 南風原朝和・市川伸一・下山晴彦編「心理学研究入門 調査・実験から実践まで」東京大学出版会(2001)
⑤ 日本心理学会 認定心理士資格認定委員会編「認定心理士資格準拠 実験・実習で学ぶ心理学の基礎」金子書房(2015)
⑥ ☆日本心理学諸学会連合心理学検定局編「心理学検定一問一答問題集 A領域編」「同 B領域編」実務教育出版(2016)
⑦ ☆日本心理学諸学会連合心理学検定局編「2018年度版 心理学検定公式問題集」実務教育出版(2018)
⑧ 日本心理学諸学会連合心理学検定局編「心理学検定 基本ワード(改訂版)」実務教育出版
※以下の情報は、2017年7月17日現在、Google検索を行い、各大学・大学院のホームページ上に公認心理師のカリキュラム作成を検討中あるいは準備中とある大学を拾い集めたものです。まだまだ準備中の大学はあるかと思います。もし情報あれば、コメント欄に書き込んでください。よろしくお願いします。
愛知学院大学心身科学部
http://psyphy.agu.ac.jp/shinri/article/2_587ad55995987/index.html
宇部フロンティア大学人間社会学部
http://www.frontier-u.jp/index.php/f-long-comp-ft/f-culture-comp
江戸川大学社会学部
http://www.edogawa-u.ac.jp/colleges/d_psychology/
追手門学院大学心理学部
http://www.otemon.ac.jp/nyushi/education/psychology/
桜美林大学
http://www.obirin.ac.jp/postgraduate/topics/year_2016/7fl296000007na7h.html
大阪経済大学人間科学部
http://www.osaka-ue.ac.jp/researchsupport/introduce_research/research/research410.html
大阪人間科学大学人間科学部
http://www.ohs.ac.jp/kouninshinrishi/
大妻女子大学人間関係学部
http://www.gakuin.otsuma.ac.jp/graduate/psychology/news/
大手前大学現代社会学部
http://www.otemae.ac.jp/faculty/dp_society/psychology.html
岡山大学大学院社会文化科学研究科
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hss/education/sinri.html
香川大学医学部
http://www.med.kagawa-u.ac.jp/articles/000/001/220/
鹿児島大学法文学部
http://kadai-houbun.jp/jinbun/shinrigakucourse/
川崎医療福祉大学医療福祉学部
https://w.kawasaki-m.ac.jp/dept/welfare_cp/
川村学園女子大学文学部
https://www.kgwu.ac.jp/faculty/master/
関西学院大学文学部心理学科
http://psysci.kwansei.ac.jp/education/qualifications/
関西福祉科学大学心理科学部
http://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/faculty/psychology/
吉備国際大学心理学部
http://kiui.jp/pc/gakka/shinri/shinri/
九州ルーテル学院大学人文学部
http://www.klc.ac.jp/info/2017/04/post-229.php
京都学園大学人文学部
https://www.kyotogakuen.ac.jp/department/psychology/
京都光華女子大学健康科学部
http://www.koka.ac.jp/faculty/undergraduate/dept_health/course_psychology.html
京都女子大学発達教育学部
http://www.kyoto-wu.ac.jp/gakubu/kyoiku/shinri/news/n6eaci0000005a3h.html
京都橘大学健康科学部
http://www.tachibana-u.ac.jp/news/2016/03/post-488.html
京都ノートルダム女子大学現代人間学部
https://www.notredame.ac.jp/shinri/shikaku.html
京都文教大学臨床心理学部
http://www.kbu.ac.jp/kbu/lp/official_psychology/
金城学院大学人間科学部
http://www.kinjo-u.ac.jp/pc/depart/depart_phycho.html
久留米大学文学部心理学科
https://www.kurume-u.ac.jp/site/bungaku/kouninshinrishi.html
神戸学院大学人文学部
http://www.kobegakuin.ac.jp/faculty/humanities/psychology/curriculum.html
神戸松蔭女子学院大学人間科学部
http://www.shoin.ac.jp/academics/course/human/p/index.html
神戸女学院大学人間科学部
https://www.kobe-c.ac.jp/courses/co_psy.html
国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部
http://www.iuhw.ac.jp/akasaka/
埼玉学園大学人間学部
http://www.saigaku.ac.jp/tag/%E5%85%AC%E8%AA%8D%E5%BF%83%E7%90%86%E5%B8%AB/
埼玉工業大学人間社会学部
https://www.sit.ac.jp/gakubu_in/ningenshakai/rinshou/
札幌学院大学心理学部
筑波大学人間学群心理学類
http://www.human.tsukuba.ac.jp/psyche/index.php?month=2017-05
島根大学人間科学部
http://www.hmn.shimane-u.ac.jp/psychology.html
就実大学教育学部
http://www.shujitsu.ac.jp/department/kyouiku/kyouikushinri/kyouikushinri_info/33305.
昭和女子大学人間社会学部
http://content.swu.ac.jp/shinri/kounin/
白百合女子大学人間総合学部
http://www.shirayuri.ac.jp/course/human/psychology/
仁愛大学人間学部
http://www.jindai.ac.jp/news/2015/001733.html
駿河台大学心理学部
http://www.surugadai.ac.jp/gakubu_in/shinri/kouninsinrishi/
聖徳大学心理・福祉学部
椙山女子学園大学人間関係学部
http://www.sugiyama-u.ac.jp/univ/academics/hs/express/qualification/
鈴鹿医療科学大学保健衛生学部
http://www.suzuka-u.ac.jp/education/hygienics/welfare_cp.html
聖泉大学人間学部
http://www.seisen.ac.jp/news/9020
西南学院大学人間科学部
http://www.seinan-gu.ac.jp/psycho/qualification.php
大正大学心理社会学部
http://www.tais.ac.jp/faculty/department/clinical_psychology/blog/20151019/36926/
中京大学心理学部
http://nc.chukyo-u.ac.jp/gakubu/shinri/
筑紫女学園大学人間科学部
http://www.chikushi-u.ac.jp/education/psychology/sinrisi_curriculum.html
帝京大学文学部
https://www.teikyo-u.ac.jp/news/2016/0719_5483.html
帝京平成大学健康メディカル学部
https://www.thu.ac.jp/news/2017/05/170516-01.html
帝塚山学院大学人間科学部
http://www.tezuka-gu.ac.jp/topics/university/index.php?c=topics_view&pk=1445217858
帝塚山大学心理学部
http://www.tezukayama-u.ac.jp/news/information/2015/09/16/post-462.html
東亜大学人間科学部
http://www.toua-u.ac.jp/humansciences-faculty/cpc-cp.html
東海学園大学心理学部
https://www.tokaigakuen-u.ac.jp/academics/humanities_psychology/special.html
東海大学文学部
http://www.hum.u-tokai.ac.jp/bp/
東京成徳大学応用心理学部
http://www.tsu.ac.jp/gra/juken/tabid/865/Default.aspx
東京福祉大学心理学部
http://www.tokyo-fukushi.ac.jp/information/2015/20160304.html
東京未来大学子ども心理学部
https://www.tokyomirai.ac.jp/faculty/child/support/shinrishi.html
東北福祉大学総合福祉学部
https://www.tfu.ac.jp/education/dwp/s9n3gg00000014wi.html
同志社大学心理学部
https://www.doshisha.ac.jp/news/2015/1211/news-detail-3024.html
徳島文理大学人間生活学部
https://www.bunri-u.ac.jp/faculty/human-life/topics/?p=70
東洋英和女学院大学人間科学部
http://www.toyoeiwa.ac.jp/daigakuin/kenkyuuka/
長崎純心大学
http://www.n-junshin.ac.jp/univ/information/daigakuin_news/_2015279916_201729.html
奈良大学社会学部
http://www.nara-u.ac.jp/faculty/soc/psychology/news/2016/36
新潟青陵大学福祉心理学部
http://www.n-seiryo.ac.jp/faculty/nsu/welfare/point_rinshoshinri/
新潟リハビリテーション大学医療学部
http://nur.ac.jp/job_qualification/cp/
西九州大学子ども学部
http://www.nisikyu-u.ac.jp/topics/detail/i/1142/faculty/207/
日本女子大学人間社会学部
人間環境大学人間環境学部
http://www.uhe.ac.jp/info/ntf/160804000400.html
人間総合科学大学人間科学部
http://www.human.ac.jp/cp/faq1.html
梅花女子大学心理子ども学部
http://garden.baika.ac.jp/department/psychology.html
広島国際大学心理学部
http://hirokoku-u.net/psychology/news/1601.html
広島文教女子大学人間科学部
http://www.h-bunkyo.ac.jp/university/news/2016/01/post-281.html
比治山大学現代文化学部
https://www.hijiyama-u.ac.jp/news/archives/2017/06/000951.html
兵庫教育大学大学院人間発達教育専攻
https://www.hyogo-u.ac.jp/course/cli_psy/qualification.html
福岡大学人文学部
https://wwwpsc.hum.fukuoka-u.ac.jp/grad/shikaku/
福島大学人間発達文化学類
http://hdc.educ.fukushima-u.ac.jp/graduate-school/psychology-development
福山大学人間文化学部
http://www.fukuyama-u.ac.jp/grd-human/
文京学院大学心理学部
http://www.u-bunkyo.ac.jp/faculty/human/kouninshinrishi.html
文教大学人間科学部
http://www.koshigaya.bunkyo.ac.jp/rinshou/sp/
北海道医療大学心理科学部
http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~web/news/index.php/view/581
武庫川女子大学文学部
http://www.mukogawa-u.ac.jp/dai/bungaku/shin/intro.htm
明治学院大学心理学部
http://www.meijigakuin.ac.jp/academics/graduate/psychology/
明星大学心理学部
https://www.meisei-u.ac.jp/lp/psy2017/index.html
目白大学人間学部
https://www.mejiro.ac.jp/graduate/news/2017/04/20170405/
立命館大学総合心理学部
http://www.ritsumei.ac.jp/psy/future/
ルーテル学院大学総合人間学部
http://www.luther.ac.jp/education/department/rinsyo/
(1)はじめに
公認心理師ができるまでの50年間の経緯について、昨年2月に発行された「日本外来精神医療学会誌」第16巻第2号に「公認心理師成立までの経過と今後の展望」という題で特別寄稿をさせていただきました。その時あまり多く書けなかった「今後の展望」について今日はお話させていただく機会をいただけたことに感謝申し上げます。
さて、拙稿にまとめさせていただいた歴史的経緯を一言で振り返ると、医療保健福祉の領域に特化した「医療心理師」の創設を求めるグループと、「臨床心理学」という学術基盤に基づいた「臨床心理士」の国家資格化を求めるグループの間での激しい政治的攻防の末に、その折衷案としてできたものが「公認心理師」ということになります。折衷案であるために、「公認心理師」は、医療保健福祉だけでなく、教育、産業労働、司法矯正などさまざまな領域に汎用性の資格であり、その学術基盤もおよそすべての心理学領域を網羅したカリキュラムになっています。すなわち、「公認心理師」は、その目的は「国民の心の健康の保持増進に寄与すること」となっていますが、最大公約数的で焦点のあいまいな資格であるので、公認心理師を取得しただけで、それぞれの現場で十分な働きができるとは考えにくいものです。今後は、それぞれの領域での専門性を生涯研修で積み上げていくことが「公認心理師」が本当にできて良かった資格になるために必須であると考えられます。
では、外来精神医療において公認心理師に求められることはどのような役割でしょうか。
(2)公認心理師の専門性
公認心理師は、精神科医療七者懇談会が精神科医療のニーズをしっかりと伝えながら作って来た資格であり、従来の心理職に足りなかったと言われている医学と精神医学の2科目及び医療機関での実習が必修になっていることが1つの大きい特徴です。ただ、それでも現場のニーズに応えるだけの精神医学関連の知識と技術は決して十分なものではないので、資格取得後にどのように補うか、新人研修のしくみなどを含めた整備が必要だと考えられます。すなわち、卒後研修で、精神医療に特化した公認心理師を育てていくことが必要になるでしょう。
また、公認心理師のカリキュラムを見てもわかる通り、心理学は非常に幅の広い多数の分野からなる学術です。その幅の広さは、今後の精神医療に実は活かしていけるものであると考えます。分野を見ていきますと、認知症や高次脳機能障害の治療に寄与する神経心理学。行動やストレスのコントロールの方法論を洗練させる学習心理学や健康心理学。トラウマ治療に関連した記憶心理学や感情心理学。人間の一生の発達をとらえる発達心理学。組織や人間関係のあり方に関わる社会心理学。そして、もちろん、心理療法の実践と研究を重ねてきた臨床心理学。これらはどれをとってもそれだけで一生かけて勉強しても追いつかないほどの大きい領域で、一人の公認心理師がすべてのエキスパートになることはできないでしょう。そこで、将来的にはそれぞれの公認心理師が専門分野、得意分野を持つようにしていきたいと考えます。
精神医療に求められる公認心理師は、基礎として精神医学の知識技術を研修した上に、精神医療に必要な心理学の専門分野の専門性を持った人ということになるでしょう。たとえば、認知症専門の外来に老年心理学や神経心理学の専門性を持った公認心理師が配置されるなどのように、それぞれの公認心理師の専門性と、それぞれの精神医療機関の目的とが合致すれば、公認心理師は外来精神医療の良いパートナーになれるのではと思います。
次に、外来精神医療の中で公認心理師が担うことが期待される仕事とはどのようなものかを見ていきます。
(3)外来精神医療のニーズと公認心理師
まず、外来精神医療全体に関わって、心理学的なアセスメントにニーズがあると思います。特定の心理検査を行うだけではなく、面接や行動観察によるアセスメント、家族力動や集団力動のアセスメント、それらを総合した心理学的な所見が、それぞれの患者の治療計画に活用されるように、公認心理師がアセスメントの技量を向上させる必要があると思います。症状の変化に、生活史上のできごとや外傷的な体験が関わっている場合や、パーソナリティの諸要因が関係している場合、発達特性の影響が大きい場合など、それぞれに治療や支援の道筋が異なると考えられるときに、公認心理師がいかに有効な助言ができるかが問われていると思います。また、デイケアなどの集団プログラムを持っている精神医療機関においては、集団プログラムの立案や運営においても心理学的アセスメントが生かされると考えます。
次に、もっとも患者数が多いと考えられる、気分や不安に関係した疾患群、うつ病や、不安性障害、強迫性障害などですが、それらの治療においては、認知行動療法や対人関係療法などのように、薬物療法と組み合わせて行うことによって症状の軽減や治癒に有効に作用する心理学的アプローチが知られています。医師や看護師等との協働で、公認心理師がこれらの疾患群の治療を補助する心理療法の担い手として、全国のどの外来精神科にも当たり前に存在する職種となることが望まれます。
それから、これまであまり注目されて来なかったかもしれませんが、統合失調症などの慢性の精神障害者の地域精神医療福祉の領域で、公認心理師が活躍してほしいというのが、私自身が個人的にもとても願っていることです。統合失調症の治療と支援において、心理職が果たせる役割としては、アセスメント、特に、統合失調症の場合は、症状に目が向けられがちですが、その背景にある生活史や対人関係の要因が実は経過に深く関わっている場合も多々あると思われ、その一人一人の患者の歴史や生活を、時間をかけて注意深く聞き取りアセスメントしていく役割は、実は心理職がもっとも得意とするところではないかと思います。また、多機能型精神科診療所のデイケアのスタッフとして、集団力動をしっかり観察しながら、集団が治療的な動きを持ちやすくなるような介入を行うことは、心理職の得意とする分野であると思います。実際、心理職がリーダーをして、それぞれのメンバーと全体の動きを丁寧に観察しつつ、自発的な集団の動きを促進しつつ、効果的に介入しているようなデイケアの事例を見聞きすることがあります。心理教育やSSTなどのプログラムも含めて、今後のデイケアの発展に公認心理師が寄与することが不可欠ではないかと思います。
さらに、精神障害者の分野では、現在注目されているオープンダイアローグも含めて、地域の中で、それぞれの家を訪問して行うアプローチに公認心理師も参加していきたいと思います。これまで、国家資格がないことでいちばん悔しかったのは、訪問の仕事に十分に参加できなかったことです。これからは、公認心理師が外に出て、地域や家庭で患者や家族と積極的に出会う職種に脱皮できると考えます。その時に、上記のような心理アセスメントの技術や、心理療法や集団への介入の技量が活かされるものと思います。
また、従来の外来精神医療は、おとなの精神疾患の薬物治療がメインの仕事でした。しかし、高齢者のニーズや、子どものニーズが高まっているのが近年の状況であると思われます。また、アルコール依存症や摂食障害などの、嗜癖に関連した問題群への対応や、ひきこもりや職場不適応などの社会適応に関連した問題群など、薬物療法がメインではなくむしろ心理・社会的なチームアプローチが必要な問題への対応は今後もニーズとしては増えていくものと考えられます。すべての精神科医療機関がそれに対応できないかもしれませんが、あそこは子どもを見てくれるよ、あそこは摂食障害が専門だよというような、専門領域を持つことが精神科外来にとっても強みになるでしょうし、その専門性に特化した公認心理師がチームの中に存在することによってその強みを生み出すことが期待されると思います。
(4)最後に
最後に、少し危惧していることを述べます。京都市で真摯な精神医療を続けて来られているいわくら病院のチェヒョンイン先生が昨年「メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服」という名著といっていいと思うのですが、労作を出版されました。私自身は、精神科クリニックの片隅で、まさにこの本に書かれているような「外傷的育ち」によるさまざまな生きづらさや苦悩を持った人たちの息の長いカウンセリングの仕事をさせてもらって来ました。振り返れば、国家資格がないことでかえって自由にそういう仕事をして来られたのかもしれないと思います。しかし、今後、公認心理師の心理面接に診療報酬が導入されると、面接の回数や、頻度、1回の面接時間、あるいは心理面接の適応される診断名などに制約が加えられるかもしれません。「外傷的育ち」の人たちは、問題は深刻ですが、症状としては従来の診断には明確にはあてはまらず、薬物療法に反応しない場合もあるので、なかなか医療の枠の中に居場所がありません。しかし、それらの人々は経済的にも厳しい状況に置かれている場合が多く、何とかして社会保険の中に治療の機会が残されないかなと思っています。
公認心理師が精神科医療にこれまで以上に参入することで、精神科医療のコアな領域と、周辺領域、それぞれの役割分担が整理されていくものと考えます。公認心理師が、精神科的な問題に苦しむ人々に与えられる希望のひとつになることを願ってやみません。
現在、公認心理師法カリキュラム等検討会ワーキングチームが最終段階を迎えています。公認心理師が成立するまでの経過について、「外来精神医療第16巻第2号」(2016)に書かせていただいた原稿を、期間限定でこちらに張り付けておきます。公認心理師法成立までの経過をまた良く知らないという方で興味があれば読んでみてください。(長文です。資料部分は省略させていただきます。)
ブログの更新をしないまま気づいたら1年過ぎていました。
今年は、個人的にはいくつか新しいことに挑戦をした1年でした。十分にできたわけではありませんが、今年の小さい結果を踏まえて、少しずつ現場から若手の育成に関与できたらと思っています。
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