« アタッチメントと子育て支援 | トップページ | 国家資格化のこと② »

2007年5月 7日 (月)

国家資格化のこと①

さて、しばらく遠ざかっていた臨床心理職の国家資格化のお話を書きます。

一昨年、2005年の7月5日に「臨床心理職の国家資格化を通じ国民の心のケアの充実を目指す議員懇談会」と「医療心理師(仮称)国家資格化を目指す議員の会」の合同総会で承認された「臨床心理士及び医療心理師法案(全心協のホームページで読めます)」が、国会に上程されないで保留されたまま、1年10か月が経ちました。

現在開かれている第166回国会(常会)の会期は、6月23日までです。

昨年の秋にも上記の法案を上程しようという動きがあったようです。医療心理師の議員の会の幹事を務めておられる鴨下一郎衆議院議員のブログに関連記事(2006年9月27日)があります。この動きに対しては、精神科七者懇談会から「緊急声明(日本精神科病院協会のホームページ)」が出されました。

おさらいになりますが、臨床心理職の国家資格化に関して、議員立法による法制化がなされようとしている背景には、1990年から2002年にかけて行われた厚生労働省(旧厚生省)による検討会ならびに科学研究事業において、関係者の意見の一致が困難であったということがあります。(年表は全心協ホームページ

臨床心理職には、現在、「臨床心理士」という名称の認定資格があります。1988年の日本臨床心理士資格認定協会の発足が、その始まりです。来年は、発足20年ですね。

認定協会の発足以前にも、この課題は長い歴史を持っていることが、さまざまな資料からわかります。(たとえば、誠心書房の臨床心理学全書第1巻「臨床心理学原論」の第2章)

上記の法案は、この長い歴史のさまざまな要素を反映したものです。

日本の臨床心理学の歴史の当事者でない精神科七者懇談会の方々にとっては、上記の法案は非常に理解しにくいものだっただろうと思います。まずなぜ「2つの資格」であるかが理解しにくかったと思います。

いっぽう、臨床心理職当事者からすれば、上記の法案は、長年の運動の末、議員の方々に作っていただいた法案です。2つの異なる国家資格化の流れの、どちらも法案に盛り込まれていると同時に、長年の議論の焦点だった「医療機関における医師の指示」が「臨床心理士」法案に明記(法案第四の一の3の②)されており、上記法案が、鴨下議員のブログ(2005年7月27日)にある「ギリギリの調整」の結果であるという事実は、その後2年を経ても変わっていません。

精神科七者懇談会が反対されている以上、この法案のそのままの上程は困難を極めるでしょう。少なくとも、現在のままの状況では…。

議員連盟の合同総会で承認されていったん出来上がった法案である以上、法案の骨子そのものを大きく変更していただくことも困難でしょう。

このままの状態を、ずっと続けるということもできないでしょう。

そういう、とても大事な5月です。来る5月20日日曜日には、兵庫県臨床心理士会主催の市民公開シンポジウムがあります。これを機会に、当事者として、この大切な課題を、改めて考えて行きたいと思います。

« アタッチメントと子育て支援 | トップページ | 国家資格化のこと② »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/156509/6339821

この記事へのトラックバック一覧です: 国家資格化のこと①:

« アタッチメントと子育て支援 | トップページ | 国家資格化のこと② »

最近のトラックバック

2009年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30